オリジナル美白美容液を少ロットOEMで作る方法

化粧品OEMは、比較的小資本・低リスクでスタートできるため参入がしやすく、また一度気に入ってもらえればリピート性が高く定期的な購入も見込めるといったビジネスツールとしての魅力があります。


その中でも特に美白化粧品は人気が高く、日本の美白化粧品の市場規模は2000億円を超え、スキンケア製品全体の5分の1以上を占めるとされている巨大市場になっています。


ただその一方で、参入しやすいということは当然競合も多く競争も激しいため、想定よりも販売が伸びず苦戦している企業も多数存在します。


この記事では、美白美容液のOEMでビジネスを考えている方に向けて、基本情報から実際に作る際のポイントや注意点まで色々紹介していきたいと思います。


是非参考にしていただければ幸いです。

■そもそも美白美容液ってどんなもの?


美白美容液とは?

美白美容液は「シミの予防」を目的とした商品のことです。ここで言う“美白”とは、あくまでもシミを消すことではなく、「将来シミができないようにしていく」ことを意味しています。


シミができるメカニズム

シミの原因はとなるのは主に紫外線です。肌は紫外線を浴びると紫外線から細胞核を守ろうと肌の中のメラノサイトが活性化し、メラニン作り出します。


肌を守る為に作り出されたメラニンは、その役目を終えると肌のターンオーバーによって皮膚の表面から角質とともに排出されます。


しかし、長年紫外線のダメージが蓄積するとメラニンが過剰に生成され続けたりターンオーバーの周期が乱れ、メラニンが排出しきれず肌の中に残ってシミになります。


美白美容液の美白効果の仕組み

美白美容液には“美白有効成分”と呼ばれる厚生労働省が承認した成分が配合されており、この成分が肌に働きかけることでシミの原因を予防していきます。


成分には、メラニンの生成を妨げるものや、メラニンを還元するもの(しみを薄くするもの)、肌のターンオーバーを整えてメラニンの排出を促すものなど、成分によって効果効能も変わります。


■売れている美白美容液を研究してみよう


売れ筋美白美容液5選

◇HAKU メラノフォーカスV(医薬部外品)/資生堂

・価格・・・45g \10,000

・シミを増殖させる新たなメカニズムが血管にもあることに着目し、2種類の美白有効成分のダブル配合に加え新成分を配合することで、シミ生成の連鎖をストップ。

密着力のあるコクのあるテクスチャーは肌なじみもよく、有効成分を肌のすみずみまで届け、過去の紫外線ダメージを感じさせない明るく澄んだ肌へ導く。


◇ONE BY KOSE メラノショット ホワイト(医薬部外品)/KOSE

・価格・・・40ml \5,300

・シミのもとを無色化し、クリアな肌に導く進化系・コウジ酸美白美容液。黒く成熟したメラノソームがシミのもとになることに着目。

メラニンの生成を防ぎ、シミのもとである黒いメラノソームをつくらせず、ほぼ無色の未成熟メラノソームの割合を高める事で、シミ・ソバカスを防ぐ。

使うたびに手応えを感じる使用感で、透き通るようななめらかな肌へ。


◇SK-Ⅱ ジェノプティクス オーラ エッセンス(医薬部外品)/P&Gプレステージ

・価格・・・30ml \16,000

・シミ・ソバカスを防ぎ、内側から輝くような美白肌を保つ美容液。美白有効成分D-メラノTMを含む「ジェノプティクスオーラカクテル」を配合。

濃厚なピテラTMが肌本来の働きをサポートし、うるおいを与え、いきいきした透明感のある肌に。しっとりとした使い心地とリッチデリバリーシステムで、美白有効成分をすみやかに肌に届ける。


◇イプサ ホワイトプロセス エッセンス OP(医薬部外品)/イプサ

・価格・・・50ml \12,000

・より透明感の高い肌を目指しながらも、自身の肌に最適な美白ケアを見出せないというすべての女性を、みずみずしく透明感あふれるまっさらな印象の肌へと導く美白美容液。

新たに採用したイプサ独自のコンプレックス成分DMオプティマイザーが、メラニンを含む細胞に対し細胞分裂を活性化させ、排出を促すことで肌のメラニン分布を均一にみせ、肌全体の透明感を高める。

さらに角層細胞内のケラチンの白濁化に着目したJMコンプレックスIIIが、角層の白濁化を抑制しながら肌全体の美白肌環境を向上させる。


◇ホワイトショット ホワイトショット CXS/ポーラ

・価格・・・25mL \15,000

・肌が本来持つ美しくなる力に着目。まっさらに冴え渡る透明感あふれるような肌を目指す、高機能美白美容液。

ポーラオリジナル複合成分ルシノール(R)EX、ポーラオリジナル美容成分m-Aクリアエキス、SCリキッド、YACエキスを配合。

美白有効成分が肌の奥のメラノサイトに届き、まっさらに冴え渡る透明感あふれるような肌を目指す。

みずみずしいテクスチャーで、肌のすみずみまでシュッと浸透。なじんだ後は、肌表面に残り感なく、きゅっと肌をひきしめる。


売れ筋商品の傾向

全体的に配合美白成分やテクスチャーなど機能面を前面に打ち出しアピールしていて、実際に肌のシミが薄くなったと効果を実感できた方も多く見られます。

その他、保湿感や肌の透明感なども評価される重要なポイントとなっています。


■美白美容液を作るなら。お勧めOEM企業3選


1位:株式会社シーエスラボ

高い技術・高性能設備で高品質な製品を提供している企業です

◇最低ロット/3,000本  リードタイム/最終仕様確定から約60日


2位:サティス製薬株式会社

独自の高機能国産ナチュラル原料を80種類以上開発している、ナチュラル製品に強みを持つ企業です

◇最低ロット/1,000本  リードタイム/最終仕様確定から約60~90日


3位:株式会社ミリオナ化粧品

小ロット製造や海外向けサポートなど柔軟な対応が強みの企業です

◇最低ロット/500本  リードタイム/最終仕様確定から30~90日以内



■美白美容液をOEMで作るとしたら、どう作る?

OEMで美白美容液を作る場合“医薬部外品”での開発となりますが、その際は「一からオリジナル処方を開発する」か、「受託会社で既に持っている処方をそのまま使う」かの2パターンから選ぶかたちとなります。


「一からオリジナル処方を開発する」場合、独自のオリジナル処方ができる代わりに、開発から製造に至るまでには最低1年以上(処方の申請から承認を受けるまでだけでも6ヵ月以上)かかるため、かなりの費用と時間が必要になってきます。


「受託会社で既に持っている処方をそのまま使う」場合、これはODMと呼ばれる手法で、受託会社が既に開発済みの処方をそのまま使わせてもらう為、費用も時間も抑えられる一方、オリジナルにできるのは容器やデザインなどだけになります。


どちらにするかは目指す商品にもよりますが、一から作る場合は費用や時間以外にも処方開発に1年以上かかってしまうと販売するタイミングで市場の傾向やトレンドなどが変わってしまっている状況もありえるため、できればODMで中身以外の部分でも差別化が図れるように戦略を練っていくのが良いのではないでしょうか。


■作る前に考えてみよう。美白美容液を作って誰にどう売る?

競争が激化している昨今の化粧品市場では、“こだわりの良い商品”だけでは確実に売れる保証はどこにもありません。


市場にはどのようなニーズや悩みがあり、どのような商品であればそれに応えられるのかを考えた上で、作ろうとしている商品は「どんなターゲット層に向けた」、「どんなニーズに応える商品なのか」を改めて明確にすることが大切です。


そして、OEM商品は作って終わりではく、作ってからがスタートです。せっかく商品を作っても存在を知ってもらえなければお客様の元に価値を提供することすらできません。


最初は認知度、知名度ともほぼ0からのスタートです。ターゲット層にはどの販売チャネルで、どのようなプロモーションで、どういった訴求であれば響くのか、本当に必要とされる方の元にオリジナル商品が届けられるように戦略を練っていきましょう。


■小ロットへのこだわりを最初は持とう


受託会社自体は数多く存在し、それぞれ製造を請け負ってくれる最小ロット(最小本数)が違います。

100本から可能な会社や3,000本からの会社など様々ですが、おおよそ1,000本からのところが多くなります。

ロットが大きくなれば初期費用も膨らみ、更に大量の商品を保管する在庫スペースの確保も必要となります。


もし売れ残ってしまった場合でも返品ができないため、売り切らないと大量の不良在庫を抱えてしまうリスクもあります。

予算もあり最初から大きな展開を予定している場合は問題ありませんが、そうでない場合は最初はできるだけ在庫と初期費用を抑えてスタートし、順調に販売本数が増えてきてから発注ロットを増やしていく考えでいましょう。


まずは各受託会社の最小ロットが何本なのかを確認し、小ロットで対応してくれる企業の中から依頼する先を選定していくのをおススメします。