小ロットOEMの限界に挑む。化粧品OEMの最新メソッド
化粧品OEMでは、どこまで小ロットで作れるの?
オリジナル化粧品を作ろう!独自のビジネスを展開してみよう!
そう考えた方であれば、まずは出来るだけリスクを押さえてテストをしようとするものです。
しかしながら、実際に委託製造会社のリサーチを行っていくと、意外と「最小ロット」という、最低限この本数は作ってくださいね。っていう本数が多いことに落胆するはずです。
それでも頑張ってみていくと、おおよそ100本~500本というところが業界平均かなと分かってきます。
それでも多い!!そう感じるご担当者のために、こちらでは100本未満で化粧品事業を立ち上げるための裏テクを公開していきましょう!
■化粧品OEMでは、どこまで小ロットで作れるの?最小ロットに挑んでみた。
結論から言ってしまえば“1本から”が最小になります。
実際、1本から可能な受託会社も存在します。ただ、その場合は一から処方を開発するフルオーダー式のOEMではなく、資材を他社と共有して作っていくようなセミオーダー的なOEMに限られます。
基本的にはロットが少なくなればなるほど対応してくれる受託会社の選択肢も少なくなっていきますので、小ロットでの生産を予定している場合は、フルオーダーのOEMではなくセミオーダー的なOEMもあわせて検討する方が良いかと思います。
■小ロット=“100本”が業界平均。その理由は?
化粧品製造には、「釜」と呼ばれる製造機械を使います。
この釜は大きさによって一度に何L製造できるのかが変わり、例えば、50L釜であれば400mLの化粧品が125本、500L釜であれば1,250本生産が可能になります(50L釜で40L分の製造にすれば100本が可能となります)。
小さい釜だとこの50L釜が主流となるため、“100本”が小ロットの業界平均となっているという訳です。
現在、インターネットの普及によって小規模の企業、更には個人でも比較的簡単にECサイトなどでOEM商品の販売ができる環境が整っているため、リスクを抑えてスタートできる少ロット製造の需要が大きくなっています。
ただ、実は受託会社にとっては100本でも3,000本でも、使う釜は同じであり、そのプロセスも同様のため、人件費やその他製造にかかるコストは殆ど変わりません。
基本的に小ロットでの生産は色々な面で効率が大幅に下がり利益も出にくいため、たとえ小さい釜を持っていても対応していないところもあるので、100本程度の小ロット対応をしてくれる先は必然的に限られてきます。
■超小ロットで作る為の3つの秘訣
できる限り小リスクでスタートしたい!
つまり可能な限り、少ない本数で。小ロットから始めていきたいという場合は、以下の項目を参考にしてみてください。
受託会社の選び方
・各社の最小ロットを確認し、小ロットで製造可能な受託会社を探す
受託会社自体は数百社存在し、それぞれ製造を請け負ってくれる最小ロット(最小本数)が違います。
100本から可能な会社もあれば、5,000本からの会社もあります。まずは各受託会社の最小ロットが何本なのかを確認し、小ロットで対応してくれる先を何社かピックアップしてみてください。
・各社の最小ロットでのコスト(単価)を確認する
たとえ小ロットで製造できても1本あたりの単価が極端に高くなってしまっては市場にあわせた適切な販売価格設定や利益率の確保も難しくなってしまいます。
基本的にはロットが小さくなれば1本あたりのコストも高くなります。
何社か小ロットで請け負ってくれる受託会社から見積りを取り、コストを比較した上で更に候補を絞り込んでいきましょう。
容器の選び方
・各容器メーカーが持っている小ロット対応の容器を探す
容器は基本的に自社で容器メーカーから仕入れをして受託会社へ支給することになりますが、容器のロットは1,000本~3,000本の場合が多くなります。
バルク(中身)は小ロットで製造できたとしても、容器のロットがまた大きな問題となってきます。容器を最小ロットで用意する場合の方法としては、容器メーカーの取り揃える容器の中では最小ロット100本からのものもあるので、そういった容器の中から選ぶことも選択肢の1つになります。
また、受託会社の方でも100本ロットの容器を取り揃えているところもありますので、それを利用するのも手です。
その他、セミオーダーのOEMであれば容器のロットは必要なくなるため安心です。容器のデザインと最小ロット、コストのバランスを考慮しながら選定していきましょう。
・各容器の最小ロットとコスト(費用)を確認する
同じ形状の容器であっても、容器メーカーによって最小ロットと1本あたりの単価が違います。
何社か容器メーカーに問い合わせてみて、最小ロットで一番コストを抑えられるところはどこか確認するのが大切です。
パッケージデザインの選び方
パッケージデザインをほどこす際には、容器に直接する「直接印刷」か、「デザインされたラベルを貼る」タイプかの大きく2種類があります。
まずはどちらで行っていくかを検討してみてください。
・小ロット印刷が可能なラベル印刷会社・容器印刷会社を探す
ラベルの場合は、100枚以下の小ロット印刷が可能な印刷会社も多いため、比較的探しやすいかと思います。
容器印刷の場合は、基本1,000本からのところが多くなりますので、小ロットでの製造であればラベルの方がおススメです。
・最小印刷枚数とコスト(単価)を確認する
小ロットでの印刷だと印刷会社によってコストに大きな差が出ます。
枚数によるコストは印刷会社のHPで簡単に見積りが出せるところも多いので、希望する印刷枚数でのコスト比較をしていきましょう。
■化粧品を最も小ロットで作れる手法と会社を紹介
スタートアップ専門!新たな化粧品OEM立上げ時の製造依頼方法があった!
結論からお伝えします。
直接製造会社へ依頼すると、全体コストはほぼ間違いなく高くなる傾向があります。
そのため、事業のスタートアップ時期は、開発から納品まで全てをディレクションしてくれるサポート企業に依頼しましょう。
化粧品OEMを受けてくれる企業には、以下の2種類があるんです。
・自社で工場を持っていて、製造を担える企業
・自社では工場を持っていないため、製造自体は工場を持っている企業に委託する企業
スタートアップ時期は、自社では工場を持っていない方の企業へ依頼することがお勧めです。
そうすることで、現段階での市場に適合し合格点は取れるだろう適切なテスト商品を早々に開発してくれるでしょう。
そして、その依頼できるロットも簡単に100本未満を切らせることができます。
それってどこ?という方は、ぜひ本事務局までお問い合わせください。
この手法であれば一から作るよりも更にロットの制約が少なくなり、数本単位からというところも出てきます。
自社の予算や展開規模を考え、小ロットで費用を抑えてスタートしたい場合はこういった手法もおススメになります。
化粧品の中身自体の処方や、使った時の使用感などは個人差が必ず出てくるため、
「これは理想的な商品ができた!ここまでくるのに3年かかった。。」
と皆さんが喜びの声をあげたとしても、全体的なお客様からの市場評価として100点満点を取ることはできません。
つまり、「本当だ!凄く良い!」と感じていただける方もいれば、「過大評価だね。別に普通じゃん」という人や、「げ!何コレ最悪!」と感じる方も一定数必ず出て来ます。
つまり、立上げ時に必要なこととは、理想的な処方での開発努力ではなく、現在の市場にどのようなお客様がどのくらいいて、あなたの事業はどこを狙っていこうとしているか。というマーケティングサイドの部分です。
小ロットのOEM製造でおススメの会社とは?
小ロット製造に対応する受託会社が増えてきたと言っても費用や在庫リスク、保管スペースの確保などそれなりのリスクが発生します。
さらにそのオリジナル商品が確実に売れる保証はどこにもない為、まだまだ手軽には手が出しにくいというイメージがあると思います。
そんな中で現在、自社で工場を持たない、OEMのディレクション会社が製造から企画・販売のサポートまで一気通貫で対応してくれるという新たな選択肢が出てきています。
このようなディレクション企業に依頼する大きなメリットとしては、容器や中身などの資材をディレクションメーカーと共有することができ、ロットの制約とリスクを大幅に減らしたり、中にはバルク(中身)もリスクをディレクション会社が背負って提供してくれる場合もあります。
なんと、1本単位からオリジナル商品をつくれる!というところまでも出てきています。
その他、実際に販売まで一気通貫で支援できるからこそ持っている販売のノウハウや具体的なアドバイスなどのサポートを受けられるといった販売面でのメリットもあります。
最初は費用とリスクをできる限り抑えて小ロットでスタートしたい場合は、製造会社への直接依頼ではなく、こういったディレクション会社へ依頼してみることをおススメします。
実際に依頼している企業がディレクション会社でも、純粋な製造会社と勘違いして依頼している企業様もかなり多くあります。
その違いからくるデメリットはほとんど無いでしょう。
■まとめ
”ロット”という制約は、「中身」「容器」「デザイン」の3つの項目の組み合わせにより出て来ます。
それぞれを、理想(目的)と現実(費用)をすり合わせながら検討をすすめましょう。
高くても少ない本数でリスクヘッジをするのか。
はたまた、絶対に売り切ってやる!という意気込みのもと、まとまった本数(ロット数)で依頼し、コストを抑えるか。
ここは皆さんの意思決定次第となってきます。
しかしながら、業界平均がこのくらいだから。と諦めたら、確保できるべき利益も確保できません。
小ロット製造に対応する会社は増えてきていますが、各会社によって技術力やコストにも差ができつつあります。
小ロットで製造できる受託会社の中から、最適な先を選ぶことが重要ですが、そのためには皆さんの化粧品事業をどのように展開していくかのシナリオづくりが前提として必要となります。
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