化粧品OEMを実施|メリット・デメリット

化粧品OEMとは自社ブランドの製品をつくって販売したい企業がOEM受託会社に製品の製造を依頼することです。

化粧品をつくるには製造設備や専門の技術・知識、製造販売の許可等が必要となりますが、それらを持ち合わせていない企業でも化粧品製造の設備や技術を持つOEM受託会社へ依頼することでオリジナルの商品を作ることが可能となります。

■化粧品OEMの流れ

化粧品のOEMは様々なプロセスを経て1つの商品が完成します。


商品コンセプトの検討から始まり、受託会社と打ち合わせを行い試作品の依頼とテスト・改良を重ねながら処方を決定していきます。


中身以外にも容器やパッケージデザインなどの製品仕様も必要となりますので、並行して選定をしていきます。その他、化粧箱に入れる場合は別途手配が必要となります。全てが確定したら必要な製造ロットを決定、受託会社と契約書を取り交わし、正式に製造依頼の発注となります。


その後、受託会社は発注内容に沿って納期に合わせたスケジュールで製造を行い、製品検査を経て問題が無ければ晴れて納品となります。


■化粧品OEMのメリット

製造面

1、製造環境(製造に必要な設備、知識、技術、許可等)が無くても自社商品がつくれる

OEMであれば、自社で工場や機材などの設備、原料などの資材、専門の知識を持った技術者などを用意する必要がないため、それらにかかる莫大な投資を必要とせず商品を製造することが可能となります。


商品をつくって販売するといった流れの「つくる」部分だけを業務委託するイメージです。また、化粧品の製造・販売をする際には「製造業許可」、「製造販売業許可」の取得が薬事法で義務付けられていますが、OEMであれば自社での取得手続きが不要となります。


商品開発から製造までを受託会社へ委託することで本来化粧品製造に必要となる諸々のコストを省き、リソースを商品の販売や企画などのマーケティングに投入することができます


2、初期費用、在庫などのリスク抑えてつくることができる

化粧品OEMでは、自社が発注した必要個数で生産してもらえるため、必要以上に大量の在庫を抱えてしまうリスクを軽減することができます。


ただ、発注は何本からでも可能というわけではありません。各受託会社には決められた“最小発注ロット”があるので、どの受託会社に委託するかの選定も重要となってきます。

最小ロットの小さい受託会社に委託できれば、在庫リスクを更に抑えることも可能となります。


受託会社の最小ロットは1,000本~3,000本あたりになる傾向が多いですが、中には最小ロット100本からという小ロットで生産してくれる会社もあります。


小ロットでの生産では一本当たりのコストがかなり高くなる場合が殆どですが、委託側にとっては大量の在庫を抱える心配がないのと、初期費用を抑えられるという点からも大きなメリットがあります。


販売面

1、中身からデザインまで理想の商品がつくれる

OEMのメリットは世界に1つだけのオリジナル商品がつくれることです。

自社で熟考した商品コンセプトにあわせて、中身や容器、パッケージデザインを繋げていきます。既製商品にはない、また違ったモチベーションにもなります。


2、販売価格と利益率を自社で自由に設定できる

OEMでは、販売価格と利益率は自社で自由に設定することができます。

ただ、この価格設定はマーケティング上非常に重要ですので、あらゆる要素を考慮しながら慎重に検討していくことが大切です。


価格設定に重要な要素としては、主に「原価」、「需要」、「競合状況」の3点となります。


「原価」を考慮して販売価格がいくらであれば適切な利益を得られるか、商品の「需要」を考慮して、購入する顧客側の立場になった場合いくらであれば商品を購入するのか、逆にいくら以上だったら購入しないのか、競合他社商品との「競合状況」を考慮して、競合商品の価格よりも低く設定するのか、高く設定するのか、または同一価格にするのかなど、あらゆる要素を加味した上で、適切な価格設定を目指しましょう。


化粧品OEMのデメリット

製造面

1、生産スケジュールのコントロールが難しい

OEMでは、受託会社へ生産過程を一任することになるので、生産に関わるスケジュールをコントロールするのが難しくなります。


受託会社は多くの委託主から受注した製品生産を日々行っているため、生産ラインが混んでいる時期やタイミングなどは特に希望の時期に納品してもらえるかどうかは委託側の都合だけでは調整ができない場合が出てきます。“必ずこの時期には必要”という決まった納期がある場合は、早めに受託会社とスケジュール調整を行っておくのがいいでしょう。


2、生産による利益が得られない

OEMは製造環境が必要ないという大きなメリットがあるものの、生産業務を委託するため生産での収益は得られません。

製品の販売で収益を上げていく販売特化のビジネスモデルとなります。


販売面

1、ブランド認知度が0からのスタート

どんなブランドも最初は認知度0からのスタートです。どんなに良い商品をつくっても、顧客に存在を知ってもらえなければ価値を提供することすらできません。


まずは認知してもらうためのプロモーションが必要となってきますが、むやみやたらに打ち出すだけでは費用だけかかって効果がない場合が殆どです。


自社商品のコンセプトや強み、差別化ポイントをターゲット層に最大限訴求できる媒体に絞り、費用対効果とのバランスを見ながら適切なプロモーション戦略を展開していくのが大切です。


まずはターゲットを絞り、競合他社商品との明確な差別化を打ち出さない限り、価格競争に巻き込まれて、最後は量産品大手にかないません。


2、売れるかどうかは不確定

刻々と状況が変化する市場では、「良い商品であれば売れる」という考えは通用しなくなってきています。


むしろ「こんなにこだわってつくった良い商品なのに売れない!」という状況が数多くでてきています。それは、市場にあらゆるモノが飽和している現在、良い商品をつくっただけでは幾多ある商品の中の1つとして世の中に埋もれてしまうからです。


市場には「どのようなニーズや悩みがあるのか」「どんな人に使ってもらいたいのか」「どのようなプロモーションであればターゲット層に響くか」など、あらゆる要素からマーケットを的確に捉え徹底的に突き詰めることで、本当に必要とされる・購入してもらえる商品を生み出すことが重要です。



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